2016年3月28日月曜日

ホタルイカに呼ばれて富山




7時10分発のサンダーバードに乗っておにぎりをほおばる
大阪から2時間半くらいで北陸新幹線開通1周年に沸く金沢に到着
でも目的地は金沢ではなく、その1歳になったばかりの線路をたどり
向かう先は金沢のもう少し先にある富山県





それまで仕事があるか怪しかったから躊躇していたけど
1週間前に3連休が確保できることになったので
急きょ切符を買い、宿を予約しました
旅の目的は「ホタルイカを食べるため」
スネ夫が言うようなとてもシンプルな理由です

雑誌・ネットを駆使すれば知らない土地でも
どこに何があるのかだいたいわかる
でも、それには常に“だいたい”と“たぶん”がつきまとう
「この店は“だいたい”5千円くらい」
「ここは“たぶん”おもしろい」
ガイドブックは万人のために作られているけど
それが必ず楽しいと思えるとは限らない
“だいたい”“たぶん”楽しめるとしか言えないと思う






10時すぎに富山に到着し、ひとまず鱒ずしとワンカップを買って一杯やる
さて、1つ目の目的地である桂樹舎へ向かうため時刻表に目をやると



次の電車は12時33分



朝ベロしてる場合じゃなかった、、、






しょうがないのでとりあえずD&DEPARTMENT TOYAMAへ向かう
そしたらそこに桂樹舎の製品が売っていた
なんや、半分目的達成してしまったやん、桂樹舎へ行くか迷う、、、
とりあえず電車の時間まで、隈研吾が建てたガラス美術館でも見に行こうか
富山の町をぶらぶらし、適当に曲がった道に良さ気な店があった
店主が自分の足と目で探してきた鋳物や陶器をあつかう林ショップ
やわらかい人柄の店主さんに富山のことを聞き民俗民芸村を教えてもらう






桂樹舎とガラス美術館はもうなかったことにして
富山駅に戻りバスで民俗民芸村へ向かう
民俗資料館、陶芸館、売薬資料館、土人形館、茶室等が点在する場所で
古い家屋の中に民芸品等が展示されている
そして、近くに五百羅漢がいるお寺が!
行きたかったライブのチケットを譲ってもらった気持ち
民芸ブームがきてるので土人形館ははずせません
鯛乗童子、とら、天狗、土鈴、、、
右へ左へ目が移ったあげく、犬とひょうたんをつれて帰ることにしました
ほくほくしながらバスに飛び乗ります






富山から新幹線で10分ほど、富山の西側にある高岡へ
教えてもらった高岡の幻の日本酒「勝駒」をかいに酒蔵をめざします

高岡は藤子不二雄(F,A両氏)の故郷なので駅前にはドラえもんの銅像があります
声が変わる前のアニメのフォルムでつくられているので馴染みのある顔をしています
しずかちゃんの顔がだいぶキマってました、おくすりを飲んでいるんでしょうか

高岡は鋳物の街で古い街並みが残っています
外壁に銅が貼られていたり独特の造りで建てられているのは素敵なのですが
人の気配がない、全くない
小雨も降りだし、この何とも言えない感じにゾクゾクしました

肝心の勝駒へ着くころには雨もきつくなってきました
あいかわらず店の付近に人の気配がないので
なんかヤだなーヤだなー変だなー変だなー
と思って近づくと、閉まってたんですよ、店が





雨に降られ行ったのに、お酒は買えず、傘がないのでしっとり濡れたのですが
気を取り直し、今日のお宿であるゲストハウス「ほんまちの家」に向かいます

ここは古い民家を改装して宿目的だけでなく町会の場所としても使われている
いろんな人が集う場所として使われているようで宿泊客以外の人とも会いました

そこの管理人のお兄さんに勝駒が飲める「たかまさ」という居酒屋を教えてもらい
荷物を置いてすたこらさっさと向かいました





店に入るとカウンターがおじさんたちで埋まっていました
ようやくおいしいお酒が飲めると思ったのに店の人に予約でっぱいだと言われてしまい
とぼとぼと店をでてどうしようかと悩んでいると
店の中から古田新太に似たほろ酔いのおじさんが出てきて
「あと15分で出るから入り!」と
急に富山がいい場所に思えてきました





勝駒を飲み念願のホタルイカや旬なものを食べ
口鼓がぽんぽんぽんぽん鳴りやみません
隣に座った40代くらいのご夫婦と話がはずみます
旦那さんの思いつきで、この日の朝に勝駒を飲むために横浜から来られたそう
おいしいお酒を教えてもらい楽しいひと時
そろそろ出ますと席を立つと
「せっかくだからごちそうさせて」と
なんども遠慮したのですが
「けっこうお金もってるから大丈夫!」と

富山はいい場所なんだと確信しました






とてもいい気持ちで宿の近くの銭湯へ向かいます
熱めのお湯につかり、風呂上がりに瓶のバヤリースを飲もうとお金を出すと
番台のおばちゃんが
「ほんまちの家に泊まる方?サービスしてるからお代はいいですよ」と

富山はとてもいい場所です間違いありません

ほんまちの家に戻ると管理人さんのお友達?がいらしてた
ここでもビールをごちそうになっておしゃべり、富山の方言が心地よい
富山の空気にふわふわ酔いながら布団にもぐる






ぶちぬかれた天井から洩れる朝日にゆらゆらと起こされる
準備をすませてほんまちの家を離れる
近くの喫茶店でモーニング、テレビから春のセンバツの声援が聞こえる

二日目は計画通りの観光
高岡大仏を眺め、高岡古城公園の細長い動物園へ
藤子・F・不二雄ふるさとギャラリーで小学生の頃の自分と出会い
瑞龍寺でトイレの神様であるうすさま明王にシビれる











あらかじめ調べておいた場所も面白いのだけれど
そこはどうしても、切り取り線でパリっと切られたようにその一面しか見えない
その地の人に教えてもらった場所の方がトロリと濃く
端っこがなく他の何かに繋がっていく



帰りのサンダーバードに乗ってウトウトしながら思った