2013年12月31日火曜日

煩悩退治

2013年読んだ本は107冊。
あと1冊、今日中に読めたら108冊。
108。煩悩と同じ数。読めるかな?

今のところ107冊のうち特に良かった本10冊を選んだ。
まだまだ良い本はたくさんあったけど、その中から厳選して選んだ。
そして当てにならないレビューを書いてみた。

・「夢の実現するところ 〜郵便配達夫シュヴァルの理想郷に捧げる」いしいしんじ 他
フェルディナン・シュヴァル、1836年生まれの実在したフランス人で勤勉な郵便配達夫であった。
ある日、いつものように仕事を終えた帰り道、小さな石につまずいた。
よく見ると魅力的な石だ。それから彼は帰り道に石を拾って帰るようになった。
拾った石を持ち帰り、それをコツコツ積んでいく。
とうとうそれは大きな大きな家となり、彼の理想宮となった。

ただの郵便配達夫の彼が、誰かに馬鹿にされようとも構わず、33年の歳月をかけて築いた理想宮。
彼はなにか特別な能力がなくても、自分の理想をもっていればいいと教えてくれた。

この本は彼の自伝と写真、そして彼に向けた幾人からの手紙のような文が綴られている。
皆、文章を書く仕事をしている人や何かを作っている人達だ。
彼らは自分をシュヴァルさんに救われた石の一つだと思っているのかもしれない。
何とない石も、目的を与えれば世界が変わる。

何かをつくっている人、理想を持っている人におすすめ。

・「見仏記〈2〉仏友編」いとうせいこう、みうらじゅん
元々、神社仏閣を見に行くのが好きだったが、見るのは建造物や庭だけ。
仏像には興味がなかった。
何故か。
「わからなかった」からだ。

でも、この本を読んで変わった。
みうらじゅん曰く、仏像はフィギュアなのだ。自由なポーズにしてストーリーを作る。
こっちが勝手に想像して、自由に物語を作りながら見る。
バックヤードを知ればもっと面白くなるけど、それよりも自分で想像した方が面白い。

いとうせいこうとみうらじゅんの二人が「あーだこーだ」と自由にしゃべりながら寺を巡っていく。
「見仏記1」のときはもう一人出版社の人も同行していたけど、<2>では二人だけで見仏にいっている。
もはやただの趣味だ。
男二人で地方の旅館に泊まったせいで、旅館のおかみさんからホモだと勘違いされたりもする。
そんな、いちゃいちゃしたおじさん友情が詰まった一冊。

仏像に興味がない人におすすめ。仏像は自由です。


・「たこやき」熊谷真菜
直径3~4cmの小さな球にドロッとした濃いソースがかかり。その上ではカツオブシと青のりが踊っている。
つまようじで突き刺して口の中へ。はふはふ言いながら噛むとトロっとした液体とコリッと歯ごたえのあるタコ。
口の中に通天閣やグリコの看板、大阪の町が広がっていく、、、

お祭りの屋台では必ず1軒は目にする。友達の家でワイワイ言いながら作る。
関西だけではなく全国に広まっている「たこやき」。
しかし、たこやきの歴史を知っている人はいるだろうか?
発祥地は?明石焼きとの関係は?そもそもなんであの形なのか?

筆者が卒業論文として調べ始めたものなので、面白いかと聞かれたら。。。どうだろう?
ただ、内容がすごく充実している。
たこやきの成り立ちから、ソースの事、果てはたこ焼き用の鉄板の事まで綿密に調べ上げている。
老舗のたこ焼き屋のおじいちゃんに聞いたり。ソース工場へ行ったり。鉄板の職人に話を聞いたり、と徹底している。
他の文献の引用ではなく(そもそも、過去のたこやきの文献がない。)
直接会って聞いたことを書いているので、文章にトゲや小骨がなく落ち着いている。

たこやき一つから世情の流れ、時代の移り変わりを読み解くことができる。
ウィキペディアのコピペで卒論を書こうとしている大学生に読んでもらいたい。


・「インターネット的」糸井重里
まず注意しておくと「インターネットの使い方・始め方」の本ではありません。
インターネットを中心とした…(ちょっと違うなぁ)
インターネットを介した(って言う方が近いかな?)外とのつながりのことが書かれた本です。

ここ2・3年でSNSやコミュニティデザインといったものが急成長していて。
実際に使ってみたり、その関連の本を読んだり、話を聞いたりして
「あ、もしかしてこーいう風になっていってるのかな?」
と予測のようなものを試みたりしたけれど。
そのまだ形にもなっていないふにゃふにゃしたものの事が、
この本の中にもうすでに書いてあった。

「12年前にこんな所まで考えていたのか!」
と、床は目から落ちたウロコだらけ。
今、イトイさんは何を考えているんだろう?
やっぱりすごい、イトイさん。

インターネットを使う人におすすめ。


・「株式会社 家族」山田かおり
ほぼ日で不定期に連載している「明るい家族相談室」で相談役になっている山田かおりさん。
読んでると、人んちにあがってるような感じがする。
自分の家では普通に起こってることが、他人からみたら「え?」って言われそうなことがある。
その「え?」が集められた本。

父は熱心にゴルフの素振りを研究し手帳に書く、ゴルフは全くしないのに。
そして年がかわるとその手帳は捨ててしまう。
その手帳を母がゴミ箱から拾って読む。
かおりさんの妹のぐしゃぐしゃした挿絵がまた「山田家」の雰囲気を際立てている。

反抗期のお子さんにおすすめ。


・「猫」井伏鱒二 他
猫好きの文豪達による、猫の話。
明治~大正生まれの作家ばかりなので、本の中の空気がいい。
あわただしくないし、少しマヌケな感じが可笑しい。

しかしなんで文豪達は猫が好きなんだろう?
猫好きにおすすめ。


・「ファンタジア」ブルーノ・ムナーリ
アウトプットするためにはインプットなしでは成り立たない。
子供の発想が自由なのはインプットの量が少ないせい。

あくまでこれは僕の解釈ですが、たくさんの「気付き」が詰まっている。
言葉で表しにくいこと、を難しい言葉説明するのは簡単。
これはとてもやさしく教えてくれる。

これを読んで僕は安心した。
「子供の発想力に僕が負けるわけがない。子供のそれは足りないからだ。」と。

自分のなかの想像力にもやもやしてる人におすすめ。


・「とりあえず、絵本について」五味太郎
小さな頃大好きだった絵本のひとつ「きんぎょがにげた」
内容というより絵が好きだった。やわらかい色。

当然、作者もやわらかい人だと思っていたら、、、違った。
谷川俊太郎もそうだけど、パンクな感じ。
決して、絵具を道路に巻きらしたり、筆で担当者を突き刺したりするわけじゃないけど。やわらかくない。
どこかぶっとんでいる。

作品でやわらかいものを出しているせいで、本人がやわらかくないのかな?
ああ、ロッカーにナイーブな人が多いのと似ているのかもしれない。

「きんぎょがにげた」「みんなうんち」「ことわざ絵本」等、五味太郎を読んだことある人におすすめ。


・「たのしい写真〜よい子のための写真教室」ホンマタカシ
フィルムのカメラとデジタルカメラ、使うのが簡単なのはどっちだと思いますか?
答はどっちもです。「写真を撮る」だけならカバでもできそう。
ただ、フィルムはめんどくさい。
ピントを合わせたり、露光を気にしたり、現像するまでどう映っているかわからないし。
でもそのぶん自由度や表現の幅はフィルムの方が圧倒的に勝っていると思います。
シャッター速度と絞りの割合を変えるだけで違った表現ができます。

、、、と。それらの方法が書かれているのだけど。
それよりも「ホンマさんカメラが好きなんだなぁ」って思える本です。
歴代の写真家達の手法、様々なクセのあるカメラ。
どこかの飲み屋でウダウダ聞きたいような内容。

フィルムカメラを使っている人におすすめ。


・「ぼくが電話をかけている場所」レイモンド・カーヴァー
村上春樹訳。村上春樹が影響受けまくってるなぁと感じる。

僕は「言葉にならない感情を文章で表している話」が好き。
“言葉にならない感情”を直接文字に置き換えているわけじゃなくて
主人公が「あ~なんなんだろうこの感じ…」と、口に出しているわけじゃないけど感じているのを読んで
「あ~そうそう、それな」って、味わいたい。
スリルに満ちた冒険の話も良いけど、煙みたいに目で追っても正確な形をとらえられない内容の小説が好きだ。

レイモンド・カーヴァーもそれで。
「あ~なんかうまくいかないな~」とか
「良くないのはわかってるけど、俺が悪いわけじゃないし」
みたいな、短編が詰まった本。

「やれやれ」と感じたい人におすすめ。

2013年12月30日月曜日

家へ帰る

難波から山科へ
一人暮らしの家から実家まで走って帰った
そもそも、なんでそんなことをしようと思ったのか

東京マラソン・大阪マラソンに申し込んだけどハズレてしまい
今年は大会に出れない、、、
どうしたものか。

そこでふと思いた「難波から山科まで何kmあるんやろ?」
Google mapで計測すると約50km
あれ?いけるんちゃうん?

フルの時はだいたい5分/1kmくらいのペース
フルマラソンを超える距離なので8分/1kmくらいにする
それだと7時間くらいで着くかな〜、と

12月29日、晴れ。
前日は炭水化物ばっかり食べてエネルギー補給
10時半には寝てコンディション◎

朝9時スタート

大阪市内はサクッと通過
コースには入れてなかったけど淀川へ寄り道する
天気もいいし清々しい

でも川沿いは景色が変わらないから飽きる
草野球、散歩するおじちゃん、たまにすれ違うランナー
空に浮かぶ雲は走っても走っても追いつけない。
進んでる気がしない。

国道に戻る。
コンビニに寄ってブラックサンダー休憩
国道も川沿いとさほど変わらない
コンビニ、ラーメン屋、ラブホ、コンビニ、牛丼屋、の繰り返し

枚方パークの観覧車の頭が見えた
でもわざわざ近くに行って見ようとは思わない
お腹が空いたのでココイチでカレーを食べる
ここでまだ半分、、、

そろそろ走るのに飽きてくる
何カ所が目的地みたいなのがあればまだ良かったんやけど
まぁ何もない。ああなんてつまらない道なんだろう

落語を聞きながら走る
一本がだいたい40分〜60分くらいあるから長距離にはちょうどいい
たんたんと喋るリズムがゆっくり走るのと合う

30km〜35kmくらいで、体力的に辛くなってきたからレッドブルを飲む
翼が生えない、飛んで帰りたい
でもレッドブルの力でなんとか宇治まで来た。あと少し

人は疲れると余裕がなくなる
美意識がなくなる、夕陽が沈む橋がなんぼのもんじゃい
罵倒の言葉しかでてこない、クソ野郎

一人マラソンの辛いところは
一緒に走る人がいないこと。
制限時間がないから走ろうが歩こうが関係ないこと。
タクシーに乗っても誰にも文句言われない。

それでもだんだん見慣れた風景が広がってくる
ああ、あと少し。少しが遠い。
でも、あらためて道はちゃんと続いているんだなぁ、、、
と、当たり前の事を思った。

なんとか日が沈むまでに帰宅できた。
もう当分走るのはごめんだ
いやはや疲れた

2013年12月27日金曜日

肩こり

たいていの会社は今日で終わりですよね。
うちもです。
もうやることがありません。

ふと思ったんですが、みなさん肩こってます?
大人はみんな肩こってますよね。
みんなガッチガチ。

でも僕は「肩こったなぁ~」って感じたことがないんですよ。
一応ちゃんとお仕事してますよ?
なんだかよくわからない肩こり

と、いうわけで「肩こり」と対談してみますね。



すみかわ(以下「す」)「こんにちは」

肩こり(以下「か」)「どうも」

す「え~っと、何から聞いていいのやら、、、」

か「なんでも聞いてください。リラックスして!じゃないと肩こっうよ!ハハハ」

す「あ、どうも。
  僕、あんまり肩こったことがないようなんですけど。肩こりさんって何なんですか?」

か「え?ないの?肩こり?っはぁー、いるんだねぇ。そーゆー人も。あなたいくつ?」

す「27歳です。」

か「じゃあ、働いてるわけだよね?」

す「はい、まぁ一応は」

か「それで肩こったことないの?」

す「あんまり実感したことがないんですよ。」

か「いやいや、ウソだ、そんなことないよ。オレをなめてもらっちゃ困るよ~」

す「別になめてるわけじゃないですけど。
  じゃあ、僕もこってるんですかね?」

か「こってるこってる。見ればわかるよ。」

す「え?見るだけでわかるんですか?」

か「モチのロンよ!」

す「、、、」

か「自分では気が付かなくても、ちゃんとこってるんだよ。」

す「そんなもんですかねぇ?
  ところで、かたこりさんは普段何をしてるんですか?」

か「まぁ、基本的に人の肩にいるね。」

す「あ、そりゃそうか。
  けっこー大変なんですね。出張とか多いですか?」

か「全国津々浦々。人がいるところに俺がいるからね。」

す「へー。じゃあ海外もよく行くんですか?」

か「いや。海外は行ったことがない。」

す「え?なんで?」

か「…う~ん。『水が合わない』とでも言うのかねぇ。
  アッチの人に認めてもらえないんだよ、俺。」

す「なんででしょうね?
  まぁ、肩こりしたくない人の方が多いですからね。」

か「俺だってわかってるんだよ、自分が好かれてないってことくらい。」

す「あ、すいません、、、」

か「いや、いいんだよ。
  ただ俺は、俺なりのメッセージを送ってるんだよ。」

す「メッセージ?」

か「『こんなになるまでよく頑張ったな!』とか
  『そろそろ休んだらどうだ?』とかさ。」

す「あぁ、なるほど。
  でも、だいぶ不器用なやり方ですね。」

か「はははは、これが俺のやり方よ(笑)」

す「今日はありがとうございました。」

か「肩こりするぐらいがんばれよ!」

す「ほどほどにします。」

2013年12月25日水曜日

「いびつ」なハンコ

始まりは友達からの依頼だった。

「ロゴを作ってほしい。」と、頼まれた。
そのロゴをタグにどうやってプリントするか悩んでいたので
『ハンコ作ってあげようか?』と答えたのがきっかけだ。

ちょうどその頃、年賀状のためにゴム版を買っていて
練習がてら、色々彫ろうとしていたのだ。
こーゆーことは大抵、何気ない一言から始まるのだ。

以前、自作で作った棚を分解して
邪魔だった木の板があったのでそれを使うことに
切り出してヤスリをかけると、なんとかそれらしくなった。

しかし、なんとまぁイビツなことか。
サイズを計らずに切ったので形はバラバラ
ただ、いくつか作るとコロコロしていて可愛らしい

まだまだ木は余っていたし
褒められて気を良くした僕は
『もっと作ってやろう(にやり)』

「イビツな形はご愛嬌」
ということで、このハンコ達を「いびつ」と名付けよう
もっとイロイロたくさん作ろうっと

 
 
 
ご依頼承ります。。。

2013年12月23日月曜日

コクのある

ぼくは意味のないこと・意味の無いものがけっこー好きです。
なんか違和感がある方がおもしろいと思うのです。
人も同じよに少しクセのある人に惹かれます。
“うま味”のような感じなものなのかなぁ?

コクのある人・もの・ことにもっと出会うためにはどうしたらいいんだろう?

あ。

そうか。


自分がそうなればいいんだ。


類は供を呼ぶんですよ、多分。
だから、意味の無いもの・ことをたくさんして
コクのある人に近づこう。



2014年版ジェイソンカレンダーを作りました。


2013年12月18日水曜日

ぞうのはなし

去年描いたお話
「ぞうの話」
ミもフタもないお話です






























































































































































2013年12月17日火曜日

ほこりちゃん

今年の5月に作ったお話
友達の結婚式のオープニングムービーとして作って
それをふくらませたものです

「ほこりちゃん」
いつもふわふわと
どこかを漂っている
“何か”のそばにいることで
吸込み、吸い込まれ
徐々に大きくなって
自分も、その“何か”になっていく



2013年12月16日月曜日

はじまりはじまり

よーし、今日からぼくは「作家」「つくる人」を名乗るぞー

と、思い。

せっかくなので作ったものとかを見せびらかすためにブログを始めたけど。

なにをかけばいいかなぁ、、、

てきとーにぼちぼちやろーっと