2014年3月27日木曜日

本屋さん



大阪に住んで5年目
最初の頃はよく道に迷って
ドコにナニがあるのかわからなかった
でも、それはそれで楽しかった


大阪で初めて
「すごい!いい場所みつけた!」
と思ったのが
心斎橋と難波の間にあるSTANDARD BOOK STORE
(僕の中ではstdと略している)


stdに通っているうちに
小説だけではなく、いろんな本があることや
いたる所でトークショウやワークショップなどのイベントがあること知った




stdでイベントがあった
恵文社の店長の堀部さんとstdの社長の中川さんの対談&懇親会だ
堀部さんの「 街を変える小さな店|恵文社一乗寺店 」
という本を軸にした本にまつわるお話


この本は
堀部さんの自伝のような
恵文社のプロフィールのような
京都の街案内のような
ジャンル分けできない本です


「金銭的なことだけがお店の利益じゃないでしょ?」
「コピペのように膨らんでいく街づくりってどうなのさ?」
「ネットで検索した星の数で店を探すのってなんだかなぁ」
と思う人はぜひ読んでもらいたい




本屋に行くと色々と知ることができる
新刊が出たことだけではなく
それぞれの場所で、何が起きているのか
東京の真ん中でおこっている津波のような流行のことや
京都のすみっこで、ちょろちょろと流れていることがわかる


堀部さんの本 (stdの中川さんは“テキスト”と呼んでいた)に
「本屋は寺子屋のような場所であるべきだ」と書かれている
そこへ行き、物だけではなく何かを得る場所なんだ
今回のイベントがまさにそうだと思う


ものを買う場所はもう溢れかえっている
タケノコみたいに、にゅきにょきビルが乱立し
ネットの中では買う場所がジャングルのようになっている
もう買う場所はいらない
みんなが求める場所はそうじゃない所


そういった理由でstdには広いカフェスペースがあったり
恵文社にイベントスペースができて
そこでイベントや“買うこと”以外の事ができるようになっている


みんなが求めるものは中間地点
今、中川さんが注目しているのが「サードプレイス」
家でも会社でもなく、その間の場所「サードプレイス」
恵文社もSTANDARD BOOK STOREもサードプレイスだ
そこに行けばナニかがある、得られる



どこかの市長に堀部さんの本を読んでもらいたいものだ


2014年3月21日金曜日

クツを脱ぐ


歩いて
歩いて
疲れて


どこかで一服しようと
コーヒーでも飲もうかと
そうだ前から気になってた店へ行こうかと


クツを脱がないとあかん店
今日はブーツ
脱ぐのめんどくさい
履くのめんどくさい
迷ったけど
クツのために別の店を探すのもめんどくさい


レコードに囲まれたその店の
縁側にあるテーブルへ
座布団の上に
どっこいしょ


カレーを食べて
コーヒー飲んで
疲れも和らいで

だんだん


眠く


だん、だん



眠く

、、、


脱ぐと


取れる



クツを



疲れが



、、、


だんだん

眠く


、、、

2014年3月9日日曜日

石川直樹と後ろにあるもの


いつも邪魔をするのは「偏見」や「慣れ」そして「知らない事」だ





北浜にあるFOLK OLD BOOK STOREという古本屋(最近、改装してカフェも充実した)
そこで石川直樹さんのトークショウがあった
ヒマラヤ5部作と称された写真集の2作目
「Qomolangma(チョモランマ)」の出版イベントだ
とても良い写真集だ













「チョモランマ」を聞いた事がある人は多いと思うけど
「チョモランマ」と「エベレスト」が同じ山だと知ってる人は多くないんじゃないだろうか
チベットの言葉でいうと「チョモランマ」、英語でいうと「エベレスト」、ネパール語でいうと「サガルマータ」
国の違いで呼び方が違うだけだ



それぞれの国にはそれぞれの文化がある
日本には日本の、チベットにはチベットの
それぞれの人種、生活様式、宗教がある
チベットも日本と同じく仏教文化がある
しかし、同じ仏教でも日本とは違う





タルチョという五色の旗がある
その旗が一度風になびけば読経したのと同じ効果があるとされている
日本人からいわせると
「なんだ、その手抜きな宗教は。やっぱり海外はラフでいいな〜(日本人はマジメだな〜)」
と思うかもしれない





チベットに住む人たちは五体投地(ごたいとうち)という礼拝を行っている
立っている状態から両手・両膝・頭をつき、そしてまたもとの体制になる
それを1日中くり返してやっている
それでも足らず風でも拝もうとしている



チョモランマに限らずヒマラヤ山脈には雄大な山がいくつもある
「カイラス」と呼ばれる誰も登ったことがない山がある
なぜ誰も登った事がないのか?
それは、カイラスが聖地とされているからだ
チベット仏教などが登る事を禁じているのだ





お釈迦様が産まれた場所に近いからこそ
人々が祈る気持ちも違ってくるのだろう







石川直樹さんはそんなヒマラヤに魅せられて
ここ数年、春と秋になるとヒマラヤへ足を運んでいる
「極地」と呼ばれる山に登り、そこで写真を撮っている




石川さんの使っているカメラは「マキナ」というクセのあるカメラだ
「少しでも装備を軽くしたい登山でフィルムのカメラを使うのはどうかしてる」
と、本人が言っていた「途中で捨てたくなる」とも
フィルムはデジタルに比べ撮れる枚数がかなり限られているのに
なんでマキナを使うのか




自分の吐く息でカメラが凍ってしまい
カメラについた氷をガリガリ削りながら写真を撮る
ゴーグルを外せないからファインダーを覗かずに撮るしかない
難点ばかりのように思える
でも、だからこそ撮れる写真がある
「これは僕にしか撮れない」と言っていた








今回のトークショウもそうだが
色んな人から声をかけてもらい、様々な事をいている
この“五部作”が終わったら奈良美智と東北を巡る旅を考えているらしい
その「つながり」はどうやって作っているのか聞いてみた



例えば、Aという目的があったとしたら、ひとまずAへ向かう
でもその途中に他の人から「Bがいいよ」とか「Cもおもしろいよ」と言われたら
頑にAに向かうのではなく「じゃあBへ行ってみよう」と全部受け入れていく
海外へ行った時も「郷に入っては郷に従え」と、その地域のしきたりを受け入れている





写真の撮り方も人との付き合い方も「自意識を排除」している
石川直樹という人は自分が「ある」ようで「ない」ような
不思議な魅力がある人だ


















さて、この写真集
最初に見た時と印象が変わっていませんか?
ちょっと魅力が増していませんか?
決してステマをしてるわけではありません





「バックヤードを知ると面白い」という事を言いたいのです
それは資料やネットだけでは知ることができない
自分でその場へ行ったり、それを感じれる場所へ近づく事が大切





いつもそれをしなければ楽しめないのか?
そんなことはない
「ココには何かある」と見えないものを見る目を常に持つ事
それが大切






おもしろい事はそこら中に転がっている
ここにも、そこにも、あそこにも