2015年8月19日水曜日

私のお盆。私のお本。

私のささやかなお盆休みの話です。

まぁ毎年そうなんですが
たいした予定を立てていなかったので
お盆休みは実家でダラダラ過ごすことに決めました






かばんに簡単に荷物をつめ、京阪電車に乗り込みます
淀屋橋から出町柳まで

京阪電車の良いところは電車で2度寝ができることです
ハッと起きても、まだ枚方くらい
もう一度寝て起きても七条あたり
三条あたりで眠気は先に下車
出町柳では冴えたアタマで降りられます



叡山電車側の出口をでるとすぐ隣におにぎり屋さんがあるので
おにぎりを2つ買い、鴨川でお昼にします
風が抜けるので大阪市内に比べ、涼しいです

そこから下鴨神社へ向かいます






この時期に毎年催されている「下鴨納涼古本まつり
今日との古書店が集まり、糺の森が古本の森になります
首にタオルを巻いたおじさん、お金がなさそうな学生、浴衣を着てやってきた若い子たち
老若男女がトンボのように目をぐるぐる動かしながら古書を漁ります

どこかに隠れている自分を求める本の声を聞き逃すまいと
獲物を狙う猟師のように、静かに数万冊ある本の森をさまよい歩きます

「ローマは1日にしてならず」と言いますが、それと同じく
「古本まつりは1日にしてならず」です
この本の森を全部さっと見ても最低でも3時間
じっくり見ようと思えば、とうてい1日では足らないでしょう

最後の方は頭がぼーっとしてきて、半分トランス状態になり
古い書体で書かれたデカルトやカール・マルクスの本に手が伸びそうになります
そういった本達はこうしてみなさんの実家に持ち帰られ
クーラーの効いた涼しい部屋に置かれ
長年「なんでこの本が家にあるんだろう…?」と思われることになるのです

そうやってこの古本まつりは成り立っているのです



去年、この場で良い本と出会えました

2時間半ほど練り歩き、だんだんアタマがぼーっとしだし
「ああ、もう仏教の経典でも買って帰ったろうかしらん、、、」
とトランス状態になりかけていた時
とある本の背表紙が目に入ってきました

「ボブ・ディラン全詩集」

1970年代中ごろに出た本なので「ブロンド・オン・ブロンド」までくらいかな?
英文と和訳の2冊組み、ディランの挿絵つき
見つけた瞬間「 えっ! 」と声が出ました

アマゾンでも買えるけどそれはしたくない、探して見つけたい
見つかったときの喜びは左クリックじゃ味わえない



今年も良い本に出会えないかと、本の森をさまよい歩きました
3時間半ほどねばりましたが良い本には出会えず
まぁ、これも下鴨納涼古本まつりの醍醐味だと思い
実家へ帰ることにしました






私にはずっと探している本があります

「ノートルダムのせむし男」

ディズニーの映画の「ノートルダムの鐘」の原作であり
この前映画にもなった「レ・ミレザブル」の原作者ヴィクトル・ユゴーの著書
友達が絶賛していて、彼曰く
「いろんな本があり、いろんな登場人物がいるけど
 この本には、その全ての人が出てくる。」
のだそうです
この本を読んでから(他に理由はあると思うけど)あまり本を読まなくなったと言っています

そこまで言うなら読んでみたい、手に入れてみたい



「レ・ミレザブル」や「ああ無情」等、他のユゴー作品は
岩波文庫はおろか新潮文庫などでも新訳で出版されているのに
この「ノートルダムのせむし男」だけは復刻さえされていません

アマゾンで買えないこともないし
“読む”だけなら図書館で借りれば読めます



でもそうじゃなくて、売られているのをこの目で見てみたい
なかなかみつからないと言われたら、みつけたくなる
「とうとうみつけてやったぞ!」
と海賊がヨダレを垂らしながら宝箱を開けるようにページをめくりたい
本のありがたみを感じたいのです




なので私は古本屋を巡ります

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