2016年12月22日木曜日

2016年のカレンダー

去年に引き続き
今年もカレンダーをかきました



セブンイレブンのネットプリントはまぁなかなか便利なもので
書類や写真などの画像をネットで投稿し
それをダウンロードするためのパスワードさえ知っていれば
全国どこの店舗でもプリントアウトできるのです



ただ、これはあくまでビジネス目的で作られたわけではないので
これを配布した本人にはびた一文入ってきません
なのでただの自慰行為にすぎません



今年は「それぞれの月の数字から始まるお話」をテーマにかいたのですが









地獄







2015年の年末にこの案を思いついて
7か月分くらいはあらかじめ作成できたので、それ以外は

「まぁまだ時間があるから大丈夫だろう」

と気軽に考えていたのですが








地獄







まぁ、それはそれはめんどくさい

誰に頼まれたわけでもないしやめてもいいけど、、、
7月でやめるっていうのも中途半端やし、、、
自分でやりだしたことだから、、、



10月以降は締め切りに追われ
自分で自分の首を絞めることになりました






と、まぁいろいろ大変だったので
このまま2017年をむかえるのもなんなので
12月分をまとめました






1月



1番が大好きな王様は城中の誰よりも1番早く起きて
1番大きな声で1番最初に「おはよう」と叫びます
城の者たちはその声におどろいて飛び起きるのです

1番が大好きな王様は城の中だけでは飽き足らず、
街の誰よりも1番早く起きて1番大きな声で
1番最初に「おはよう」と叫びます
新聞配達人はその声におどろいてすっ転んでしまいます

しかし、そんな王様よりも早起きなやつがいたのです
毎朝、東の山から顔を出す太陽です

あるとき王様は太陽より早く起きて「おはよう」と叫ぼうとしたのですが
空に太陽がのぼっていない朝なんてありません
しかたがないので、王様はまだ薄暗いうちから
太陽が顔を出すのを待っていました。
しばらくして太陽が山から顔を出して
王様よりも早く「おはよう」と言いました

王様はそれよりも大きな声で「おはよう」と2番目に叫びました。





2月




2人はいつもいっしょにいてどこへ行くのもいっしょです
でも彼はいつも遅刻してしまうので、彼女はいつも待ちぼうけ。

そんな時、彼はいつもいろんないいわけを言ってやってきます。

「アリが僕の家を角砂糖と間違えて、巣にもっていっちゃっててさ」とか
「シャツの首の穴がどっかにいっちゃっててさ」とか
「ミミズに靴の履き方を教えてたからさ」とか

それを聞いて彼女はやれやれ、と思いながら
「それは大変だったのね」と言います。

彼はいつもいいわけを言った後、花を彼女に差し出します。
彼女はその花を受け取り、2人でお出かけに行くのです。

2人はいつもいっしょにいて、何をするのもいっしょです。
1つのチョコレートを2人で半分こにして食べます。
彼はいつも大きい方を彼女にあげます。
彼女はいつも最後のひとくちを彼に食べさせてあげるのです。





3月




3つ山にはそれぞれ別の木が植えてあります

1つ目の山には梅の木が植えてありました
まだ冬の寒さが残るころに、ポチポチと赤い花を咲かせて
大勢の人は寒さが和らいでほしいなと思いながら赤い花を眺めます

2つ目の山には桃の木が植えてあります
冬の厳しい寒さが和らいだころに
空気に穴をあけたようにふわふわとした花を咲かせて
大勢の人に冬の終わりを感じさせてくれます

桃の花が咲くと1番目の山から人が去っていきます
1つ目の山は「また来年」とつぶやきます

3つ目の山には桜の木が植えてあります
春のおとずれを知らせるように薄いピンク色の花が咲きます
大勢の人は厚手のコートを脱ぎ明るい色の服に身を包み
お弁当やおかしをもってお花見にでかけます

桜の花が咲くと2つ目の山から人が去っていきます

2つめの山は「また来年」とつぶやきます





4月




四角い窓からやさしい風にのっていろんなものが飛んできます
何かの匂いがふわりと入ってきました

どこかで嗅いだことのある匂いだなぁ。
花のにおいかな?
そういえばあの人はシロツメクサが好きだったなぁ。。。
おっと違う、匂いのはなし。

これはおひさまの匂いかな?
去年の今頃も天気が良くて
みんなでピクニックにでかけたなぁ。。。
おっとっと違う違う、匂いのはなし。

これはちょうちょが飛ぶにおいかな?
暖かい空気につつまれてヒラヒラ舞うちょうちょ。。。
そうそうこんな感じ。
思い出してきたぞ。

すると風に乗り、鳥の鳴き声が聞こえてきました。
その鳥の声のせいで、何の匂いかわからなくなってしまいました。
せっかく思い出せそうだったのに。。。
また風が吹き、ヒラヒラと1枚の花びら舞っていきました。





5月




5羽のツバメが
温かい島の入口までやってきました
3羽はオスで2羽はメスのツバメです

3羽のオスは2羽のメスに惚れられるために
互いに自分のジマンを言い合いました

「ぼくは誰よりも早く虫を捕まえることができるんだ!
 ぼくと結婚すればエサに困ることがないよ!」

「僕は誰よりも巣を作るのが上手なんだ!
 ぼくと結婚すれば立派な巣に住めるよ!」

「ボクは誰よりもキレイなつばさを持っているんだ!
 僕と結婚すればボクそっくりなかわいいかわいいヒナが育つよ!」

あーでもないこーでもないとやかましく言い争いながら飛んでいると
気付いたときには島の反対側まで飛んで来ていました
振り返ると2羽のメスの姿が見当たりません

2羽のメスは島の入口でぺちゃくちゃと楽しくおしゃべりをしていました

「この島にはおいしい虫が多い場所があるのよ!今度行きましょう!」
「いいわね!行きましょ行きましょ」





6月




六畳一間のせまい部屋
外は雨がざーざー降っている

洗濯をしないといけないけど
めんどくさいし
これも全部雨のせい

部屋の片付けをしないといけないけど
腕がだるいし
これも全部雨のせい

どこか遠くへ出かけたいんだけどなぁ
おしゃれをしても濡れちゃうし
これも全部雨のせい

友達から手紙がきてて返事を書かないといけないけど
ハガキをきらしちゃってる
これも全部雨のせい

こうやってせまい部屋で何もしないで
小さな窓から聞こえてくる
車がざーざー水しぶきをあげて走る音を
ただぼーっと聞いたり

窓にしたたる水滴が何かの模様に見えたり
はじめは小さくゆっくり流れていくけど徐々に集まって
大きく早く流れていくのをたどったり

ちょっと外に出ないといけないときカサをさして歩くと
カサの中だけがまるで自分だけの場所になるような感じだとか
少し特別な日にしてくれる
これは全部雨のおかげさ





7月




7つの海を渡るため 船は取りかじズンズン進む
海は凪いでて 波もおだやか
頭の上には渡り鳥 向こうの島をめざし飛ぶ

最初の海であらわれた 山より大きなおばけ蛸
長い手足を振り回し マストをビリリと破り裂いた
スイカみたいな吸盤で 窓をすっぽり抜いてしまう

強い船長 腕を振り上げ
岩より固い 拳で一撃
おばけ蛸を退治した

さすが船長オニより強い
強い船長 料理も得意
おばけ蛸のステーキできた

おなかいっぱいたらふく食べた
おひさまサンサン ウトウト昼寝
船長寝ながらこう思う
次の海では何食べよう





8月







8年間土の中で眠っていたセミが
朝が始まる少し前に土の中から顔を出した

セミは枝につかまりまだふやふやの羽をひろげ
乳白色の体でサンサンと降り注ぐ太陽の光を浴びて
「この世の中はなんて素敵な所なんだろう」
と喜んでミンミンミンミン鳴きました

空を飛び回り頭上に浮かぶ大きな入道雲と
追いかけっこを楽しんでジージージージー鳴きました

でも陽が沈み真っ赤な夕焼けを見ていると
セミはわびしい気持ちになりカナカナカナと鳴きました

陽が落ちてしまうと辺りは真っ暗
お昼の陽気な気持ちも一緒に沈んでしまったかのようです
セミはあまりに哀しいので死んでしまいました

哀しみに暮れながら重い気持ちを引きずってあの世へ行く途中
東の空を眺めるとだんだん明るくなり真っ赤な太陽が顔を出しました

セミは「なんだよ!また出てくるなら早く言ってよ!」と怒りました
また新しい1日が始まります
今日もどこかで元気に鳴くセミの声が聞こえてきます





9月




9つのお団子を作んのにかかる時間は15分
月の上のお団子工場ではあっちゃこっちゃで
コロコロ団子をこねる音がひびいてる

餅つきができるんは全部が一番うまいな2人だけ、俗に言う花形や
相棒が変わったんは3回あった
あるやつは女の尻を追っかけてどっか消えてしもた

今夜は15番目の月が顔を出す日やから月の上はてんやわんやや
ぺったんぱったんモチをついていたら
すぽーん!と杵が手から抜けてどっかに飛んでってしもた
「やってもた!取りに行かな!」
相棒が「おい!早よ帰ってこいよ!夜がくんぞ!」と叫ぶのと同時に
ぴょーん!と地球に飛び降りて杵を探しに行った

道を歩く2人をみつけ、杵の行方を聞いたら
「僕はこっちの谷から飛んできたのを見たよ」
「私はあっちの山へ飛んでいくのを見たわ」
お礼を言ってあっちの山へひょいひょい登っていったら
けったいな形のカシの木があるだけで、杵はどこにも見当たらへん

カシの木をよく見てみたら自分の名前が書いてあった
杵から芽が生えてカシの木になってしもたらしい
いつの間にかとっぷり暗くなってしもて
カシの木のてっぺんからまんまるのお月さんが顔を出してた





10月




10匹のミノムシはみんな性格が違います

水色のマフラーを巻いているミノムシは寒がり
もっと寒がりなミノムシは黄緑色のセーターを着てポカポカ

早く成虫になりたいミノムシもいれば
ずーっとこうやってぶら下がっていたいミノムシいます

キレイ好きなミノムシはキレイな枝を探しては定期的に交換しています
1番早く起きたミノムシは日が暮れるとすぐ寝てしまいます
1番遅くまで起きているミノムシは陽が昇ってもまだぐうぐう寝ています

夜になくフクロウの声を聞くのが好きなミノムシは本を読むのも好き
話を聞くのが好きなミノムシは渡り鳥に遠くの国の話を聞きます
おしゃべりが好きなミノムシは木に集まる他の虫たちとペラペラ冗談ばかり話しています

10匹のミノムシはみんな同じ木にぶらさがっています
みんな同じどんぐりのぼうしをかぶっています





11月




11人乗りのバスで遠くの町まででかけます
11人のうち1人は運転手
のこりの10人は楽しくおしゃべり

バスは3つの山を越えてズンズン進みます
バスは力強くどんな坂道もグングン登って行きます。

山を越えるとそこには知らない町の知らない家やお店が建ち並びます
知らない駅からたくさの知らない人があふれてきて
みんな自分の家に帰るのか、それとも誰かに会いにいくのかもしれません

それを見ながら10人はあれやこれ話します
「あの人の晩ご飯はカレーだろうね。」
「あそこのパン屋の名物はクリームパンかな。」
「あそこの学校には何人くらい生徒がいるのかな?」
「あの子がはいてるクツ、私もはいているわ。」

10人が知らない町は運転手が住む町です。
もうしばらくすると運転手の家が見えてきます
運転手は自分の家を通る時
10人に気づかれないくらいの大きさでクラクションを「プ」と鳴らしました。





12月




12時の鐘の音がなると「おやすみ」の声がやみ
今日1日の出来事や 久しく会っていない友達の事を考えながら
みんな布団に入り 眠りの世界へ溶けていきます

夢の管理人はみんなが寝静まってから仕事が始まります
夢の管理人の仕事はみんなの夢を回収することです
使い古したハサミで夢をちょん切って袋に詰めていきます

夢をほおっておくと世界中が夢だらけになってしまい
みんながぼんやりしてしまうので
みんなが朝目覚めるまでに素早く回収しなければなりません

ただ、ハサミの切れ味がよくないので
夢のしっぽまでちゃんと切れてない事が多々あります

そして管理人は仕事が遅いので
町内を一周し終えるころには朝がやってきます
何人かの人は夢のしっぽがついたまま
モニャモニャと朝を迎えるのです

もうすぐあちこちで「おはよう」の声が聞こえてきます
まもなく朝です



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